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統計検定 数理 2019 問3 解答
2019.11.28
小池 壮
統計学
問2に続いて問3です。
同じくご指摘があればコメントをお願いします。
また、問1と問2はこちらをご確認ください。
合格記も書きました。
[1]
\(X_1, X_2, \cdots , X_n\)の同時確率密度関数
\[ f(x_1, x_2, \cdots, x_n) = \begin{cases} \frac{1}{\theta ^n} & (x_1, x_2, \cdots , x_n \leq \theta)\\ 0 & (otherwise) \end{cases} \] の条件\((x_1, x_2, \cdots , x_n \leq \theta)\)は\(y \leq \theta\)と同値であるので、 フィッシャーネイマンの分解定理により、\(Y\)は\(\theta\)に関する十分統計量である.
[2]
区間\((0,\theta)\)上の一様分布に従う確率変数\(X\)の累積分布関数\(F_{X}(x)\)について \[ F_{X}(x) = P(X\leq x) = \begin{cases} \cfrac{x}{\theta} & (0\leq x \leq \theta) \\ 0 & (x<0) \\ 1 & (x>\theta) \end{cases} \] となる。よって\(Y\)の累積分布関数\(G(y)\)は \begin{eqnarray*} G(y) &=& P(X_{1}, X_{2}, \cdots, X_{n}\leq y) \\ &=& P(X_{1}\leq y)P(X_{2}\leq y)\cdots P(X_{n}\leq y) \\ &=& \left(\frac{y}{\theta}\right)^{n} \end{eqnarray*} これを\(y\)について微分することで \[ g(y) = \frac{n}{\theta^{n}}y^{n-1} \]
[3]
\(Y=max(X_1, X_2, \cdots , X_n)\)であったから、\(X_1, X_2, \cdots , X_n\)のうち最大の値をとる確率変数を、例えば\(Y=X_n\)とすれば、 \(Y=y\)つまり\(X_n=y\)が与えられたとき、
\[ f(x_1, \cdots , x_{n-1}, y | y) = \frac{1}{y^{n-1}} \] となる。
[4]
\begin{eqnarray*} E[Y] &=& \int^{\theta}_{0}y\frac{n}{\theta^{n}}y^{n-1} dy \\ &=& \frac{n}{\theta^{n}} \cdot \frac{\theta^{n+1}}{n+1} \\ &=& \frac{n}{n+1}\theta \end{eqnarray*} これより、\(\tilde{\theta}=\cfrac{n+1}{n}Y\)とすると\(E[\tilde{\theta}]=\theta\)となり不偏性をもつ。したがって、求めるパラメータ\(\theta\)の不偏推定量は\(\tilde{\theta}=\cfrac{n+1}{n}Y\)
[5]
関数\(u(Y)\)の期待値が0となるとき、 \begin{eqnarray*} E[u(Y)] &=& \int^{\theta}_{0}u(y)\frac{n}{\theta^{n}}y^{n-1}dy = 0 \\ &\Rightarrow& \int^{\theta}_{0}u(y)y^{n-1}dy = 0 \end{eqnarray*} どのような\(\theta\)についても等式が成り立つためには\(u(Y)\equiv0\)でなければならない。
[6]
\(Y\)の関数であるパラメータ\(\theta\)の不偏推定量を\(s(Y)\)とし、\(E[s(Y)-\tilde{\theta}]\)を計算すると、\(E[s(Y)-\tilde{\theta}]=0\)となり、[5]の結果から\(s(Y)-\tilde{\theta}=0\)で、どのような\(s(Y)\)に対しても\(s(Y)=\tilde{\theta}\)となる。つまり\(\tilde{\theta}\)は\(Y\)の関数であるパラメータ\(\theta\)の唯一の不偏推定量である。
\(X_1, X_2, \cdots , X_n\)の同時確率密度関数
\[ f(x_1, x_2, \cdots, x_n) = \begin{cases} \frac{1}{\theta ^n} & (x_1, x_2, \cdots , x_n \leq \theta)\\ 0 & (otherwise) \end{cases} \] の条件\((x_1, x_2, \cdots , x_n \leq \theta)\)は\(y \leq \theta\)と同値であるので、 フィッシャーネイマンの分解定理により、\(Y\)は\(\theta\)に関する十分統計量である.
[2]
区間\((0,\theta)\)上の一様分布に従う確率変数\(X\)の累積分布関数\(F_{X}(x)\)について \[ F_{X}(x) = P(X\leq x) = \begin{cases} \cfrac{x}{\theta} & (0\leq x \leq \theta) \\ 0 & (x<0) \\ 1 & (x>\theta) \end{cases} \] となる。よって\(Y\)の累積分布関数\(G(y)\)は \begin{eqnarray*} G(y) &=& P(X_{1}, X_{2}, \cdots, X_{n}\leq y) \\ &=& P(X_{1}\leq y)P(X_{2}\leq y)\cdots P(X_{n}\leq y) \\ &=& \left(\frac{y}{\theta}\right)^{n} \end{eqnarray*} これを\(y\)について微分することで \[ g(y) = \frac{n}{\theta^{n}}y^{n-1} \]
[3]
\(Y=max(X_1, X_2, \cdots , X_n)\)であったから、\(X_1, X_2, \cdots , X_n\)のうち最大の値をとる確率変数を、例えば\(Y=X_n\)とすれば、 \(Y=y\)つまり\(X_n=y\)が与えられたとき、
\[ f(x_1, \cdots , x_{n-1}, y | y) = \frac{1}{y^{n-1}} \] となる。
[4]
\begin{eqnarray*} E[Y] &=& \int^{\theta}_{0}y\frac{n}{\theta^{n}}y^{n-1} dy \\ &=& \frac{n}{\theta^{n}} \cdot \frac{\theta^{n+1}}{n+1} \\ &=& \frac{n}{n+1}\theta \end{eqnarray*} これより、\(\tilde{\theta}=\cfrac{n+1}{n}Y\)とすると\(E[\tilde{\theta}]=\theta\)となり不偏性をもつ。したがって、求めるパラメータ\(\theta\)の不偏推定量は\(\tilde{\theta}=\cfrac{n+1}{n}Y\)
[5]
関数\(u(Y)\)の期待値が0となるとき、 \begin{eqnarray*} E[u(Y)] &=& \int^{\theta}_{0}u(y)\frac{n}{\theta^{n}}y^{n-1}dy = 0 \\ &\Rightarrow& \int^{\theta}_{0}u(y)y^{n-1}dy = 0 \end{eqnarray*} どのような\(\theta\)についても等式が成り立つためには\(u(Y)\equiv0\)でなければならない。
[6]
\(Y\)の関数であるパラメータ\(\theta\)の不偏推定量を\(s(Y)\)とし、\(E[s(Y)-\tilde{\theta}]\)を計算すると、\(E[s(Y)-\tilde{\theta}]=0\)となり、[5]の結果から\(s(Y)-\tilde{\theta}=0\)で、どのような\(s(Y)\)に対しても\(s(Y)=\tilde{\theta}\)となる。つまり\(\tilde{\theta}\)は\(Y\)の関数であるパラメータ\(\theta\)の唯一の不偏推定量である。
解答は以上です。指摘事項があればお手数ですがご連絡ください。