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これだけでOK!AWS Compute Optimizer 簡単実装ガイド
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- はじめに
- AWS Compute Optimizerとは?
- 対象リソースについて
- AWS Compute Optimizerの採用メリット
- AWS Compute Optimizerの採用デメリット
- 実装ステップ:AWS Compute Optimizerを有効化する方法
- AWS Compute Optimizerの導入で次の一歩を踏み出そう
1.はじめに
AWSのリソースコストを削減したいと考えていても、「会社のアカウント情報を第三者に見せるのはちょっと...」と不安に感じる方は多いと思われます。そこで安心して始められるコスト最適化の第一歩として、AWS Compute Optimizerをご紹介します。このツールは、専門知識がなくてもAWSのリソース利用状況を可視化し、最適化案を提案してくれる頼れる存在です。今回の記事では、このCompute Optimizerの仕組みや具体的なメリット、注意点を分かりやすくお伝えします。さらに、記事の最後ではコスト削減施策を次のステージに進めるための実践的なステップもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
2.AWS Compute Optimizerとは?
AWS Compute Optimizerは、AWSリソースの設定と使用率メトリクスを分析し、最適なリソースサイズを提案するサービスです。このツールを使えば、現在使用中のリソースが過剰なスペックを持つ、または逆にスペック不足でパフォーマンスに影響を与えているかを簡単に判断できます。
主な特徴は以下の通りです。
①視覚的なダッシュボードでリソースの使用状況を確認②最適化レコメンデーションを最大3件提供
③対象リソースのコストやパフォーマンスの最適化を支援
AWS Compute Optimizerは無料プランと有料プランがあり、それぞれ異なるデータ分析期間をサポートします。
・無料プラン : 過去14日間のデータ分析
・有料プラン : 過去90日間の詳細データ分析(料金はリソース1時間あたり0.0003360215USD)
3.対象リソースについて
AWS Compute Optimizerでは、最適化の推奨事項を提供する対象が決まっています。対象となるのは、以下8個の主要リソースです。(2025年1月時点)
1. Amazon EC2 インスタンス
2. Amazon EC2 Auto Scaling グループ
3. Amazon EBS ボリューム
4. AWS Lambda 関数
5. Amazon ECS on Fargate サービス
6. 商用ソフトウェアライセンス
7. Amazon RDS インスタンス
8. Amazon RDS ストレージ
ただし、推奨事項を得るためには、2つ注意点があります。それについては、後の5. AWS Compute Optimizerの採用デメリットで詳しく触れたいと思います。
4.AWS Compute Optimizerの採用メリット
AWS Compute Optimizerを活用すると、単なるコスト削減にとどまらず、パフォーマンスの向上や運用の効率化といった幅広いメリットが得られます。「効率よくAWSリソースを使いたいけれど、何から始めればいいか分からない...」そんなお悩みを抱えている方にとって、最適なツールとなっています。それでは、Compute Optimizerを導入することで得られる主なメリットをご紹介します。
4-1.大幅なコスト削減
AWS Compute Optimizerは、リソースの使用状況を徹底的に分析し、過剰なスペックでコストがかさんでいる場合や、リソースを使いすぎている具体的な状況を教えてくれます。その結果、リソースの最適化を行うことで、AWSコストを最大25%削減することが可能です。例えば、普段気づきにくいオーバープロビジョンされたEC2インスタンスや、実はもっと低コストなストレージオプションで十分なEBSボリュームなど、目からウロコの気づきが得られるかもしれません。
4-2.パフォーマンスの最適化
「スペックが足りなくて処理が遅い」「逆にオーバースペックで無駄が多い」など、運用現場でよくある課題を正確に分析し、最適なスペックやサイズを提案してくれます。
4-3.迅速な導入
AWS Compute Optimizerの魅力の一つは、なんといってもすぐに使えるという手軽さです。AWS Management Consoleで有効化するだけで、レコメンデーションが自動生成され、すぐに最適化案を確認することができます。特別なセットアップやトレーニングも必要なく、まさに「今すぐ始められる」ツールです。AWSの利用経験が豊富な方はもちろん、初めて最適化に取り組む方でも直感的に使える設計になっています。
4-4.エンジニアの工数削減
これまでリソース最適化といえば、エンジニアが膨大な使用率データを分析し、最適なリソースサイズを手作業で見つけ出す必要がありました。Compute Optimizerは、こうした煩雑な作業を自動化します。エンジニアは最適化のためのデータ解析に時間を割く必要がなくなり、本来注力すべきプロジェクトや改善活動に集中することが可能です。結果的に、チーム全体の生産性を向上させることができるだけでなく、運用コストも削減できるという、一石二鳥のメリットを提供してくれます。
5.AWS Compute Optimizerの採用デメリット
どんなに便利なツールにも、効果的に活用するためには理解しておくべき制約があります。AWS Compute Optimizerも例外ではありません。このツールを導入する際に注意したい点を以下にまとめました。
5-1.対象サービスが限定的
AWS Compute Optimizerは、Amazon EC2やEBS、RDSなどの主要なリソースには対応していますが、すべてのAWSサービスを対象にしているわけではありません。たとえば、Amazon S3やDynamoDBなど、重要ながらも対象外となるリソースがあります。そのため、Compute Optimizerだけでは網羅的な最適化が難しい場合があり、場合によっては他のツール(AWS Trusted AdvisorやCost Explorer、Compute Savings Plans)との組み合わせや追加の手動作業が必要になります。
5-2.使用条件がある
Compute Optimizerのレコメンデーションを得るには、リソースが一定の条件を満たしている必要があります。例えば、最低でも過去14日間のメトリクスデータが収集されていることが前提となります。そのため、新しく作成したばかりのリソースや、使用頻度の低いリソースでは、具体的な提案が得られない場合があります。より詳細な分析を行う場合は、最大90日間のメトリクスデータを収集して実施する有料プランとなります。 こうした条件を理解しておくことで、Compute Optimizerの利用効果を最大化できるでしょう。
6.実装ステップ:AWS Compute Optimizerを有効化する方法
AWS Compute Optimizerは、手軽に有効化でき、導入後すぐにリソース最適化の提案を受け取ることが可能です。「具体的な手順が分からなくて不安...」という方のために、実際の画面を使った動画もご用意しましたので、ぜひそちらも参考にしてみてください。
以下では、Compute Optimizerを有効化し、実際にレコメンデーションを適用するまでのステップを簡単に解説します!
1.Compute Optimizerを有効化
AWS Management Consoleで「AWS Compute Optimizer」を検索し、有効化ボタンをクリック。
2.対象リソースを確認
自身の環境で分析対象となるリソース(EC2、EBSなど)を確認し、使用状況メトリクスが十分に収集されているかチェック。
3.ダッシュボードで結果を確認
推奨事項をダッシュボード上で確認し、最適化されたリソースに変更。
4.レコメンデーションの適用
提案された設定をもとに、リソースサイズや設定を調整。
7.AWS Compute Optimizerの導入で次の一歩を踏み出そう
AWS Compute Optimizerを利用することで、リソースのパフォーマンスを向上させながらコスト削減が実現できます。特に、自動化された分析と推奨事項は、運用コストを削減しつつ効率的なリソース利用をサポートしてくれる強力な味方です。
しかし、Compute Optimizerがカバーする範囲は限定的であり、一部のAWSリソースや環境における最適化はサポート外となる場合があります。
そのような網羅できない部分や、より高度な最適化の余地がある場合は、専門家のアドバイスを受けることが理想的です。アクセルユニバースでは、AWSアカウント全体を見渡して包括的なコスト削減を支援するAWSコスト削減チェックリストを提供しています。このチェックリストでは、Compute Optimizerでは対応できない領域もカバーし、さらに具体的で効果的な施策を実現できる内容が含まれています。
AWSのリソース利用をもっと最適化したい方や、現状のコスト削減施策を次の段階に進めたい方は、ぜひ以下のリンクをご覧ください。
コスト最適化を効率的に進めたい方は、お気軽にアクセルユニバースにご相談ください!
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