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技術ブログ
MCP実践:公式・SaaS・OSS、3つの導入方法を試す。第2部 Zapier MCPサーバー
- 1. はじめに
- 2. Zapier MCPサーバーを使ってみよう
- 2-1. 準備フェーズ
- ①Zapierでアカウントを作成
- ②ZapierでMCPサーバーを構築
- ③VS CodeにMCPサーバー情報を設定
- 2-2. 実行フェーズ
- ①Agentを実行しよう
- ②Zapierの実行履歴(History)を確認しよう
- 3. まとめ
1. はじめに
ブログをご覧の皆さまこんにちは。エンジニアの小川です。
前回の記事ではGitHubが提供する公式のMCPサーバーを使用したMCPサーバーのVS Codeでの使用方法をご紹介しました。
本記事ではZapier社が提供するSaaS型のMCPサーバを使用するケースをご紹介します。
Zapier MCPサーバーは、GitHub MCPとは異なり「コード不要」で外部サービスのAPIを扱えるのが最大の特徴です。利用者はトークン等の接続情報を設定するだけでMCPサーバーとして扱える点が大きなメリットです。
本記事は主にVS Code、またGitHub Copilot、Claude Code等のAIエージェントの使用経験があるエンジニアの方を対象としています。
2. Zapier MCPサーバーを使ってみよう
この項では以下の流れを行っていきます。
[準備フェーズ]
①Zapierでアカウント作成
②ZapierでMCPサーバーを構築
③VS CodeにMCPサーバー情報を設定
[実行フェーズ]
①Agentを実行しよう
②Zapierの実行履歴(History)を確認しよう
2-1. 準備フェーズ
①Zapierでアカウント作成
まずはZapierのアカウントを作成します。https://zapier.com/mcpにアクセスしてSign upからアカウント作成画面に遷移しますので、サイト内の記載の通りに作成します。
アカウントが作成できたら早速ログインします。
ここで注意していただきたいのが、ヘッダーのLoginボタンからログインを行うと別のサービス画面に遷移しますので、https://zapier.com/mcpのTOP画面の「Start Building」からログインしてください。いやほんと謎仕様...。
「Start Building」から入った場合のMCPサーバー画面
ヘッダーからログインした場合のZapierのメインサービス画面
ちなみにこの画面からはMCP画面に遷移できないので、入ってしまったらやり直し。
②ZapierでMCPサーバーを構築
まずは画面内にある「+ NEW MCP Server」ボタンを押下します
モーダルが表示されるので、「MCP Client」のセレクトボックスで、MCPサーバーに接続するクライアントツールを選択し、Nameには適当な識別名を付けます。
サイドバーに追加されたMCPサーバーを選択すると、現在のMCPサーバーの設定情報が表示されますので、こちらで「+ Add tool」ボタンを押下します。
追加できるWebサービス一覧が表示されます。先頭には恐らくよく使われるサービスが表示されておりますので、一覧に無い場合は検索ボックスから検索します。
今回は「Slack」を選択します。
Slackで使用できるTool(API)一覧画面が表示されます。この中から使いたいSlackの機能を選択します。
Toolの選択が完了すると、サービスへの接続設定が求められます。今回はSlackを選択している為、Slackへの接続設定を行うボタンが表示されます。
今回は合わせてGoogle Calendarも追加しました。
③VS CodeにMCPサーバー情報を設定
最後にVS Codeとの接続設定を行います。
接続設定はヘッダにある「Connect」リンクを押下します。すると選択したMCP Clientへの接続設定と、接続用に発行されたURLが一部隠された状態で表示されます。
「Server URL」の右にある「Copy URL」ボタンを押下すると、クリップボードにMCPサーバーのURLがコピーされます。
そして今度は取得したサーバーのURLを、前回の記事で作成した .vscode/mcp.jsonファイルに記載します。記載の内容は以下です。
以上でMCPサーバーへの接続が完了です!今回もとても簡単でしたね!
2-2. 実行フェーズ
①Agentを実行しよう
それでは早速使ってみましょう!今回GitHub Copilot Agentが連携している対象は「Slack」と「Google Calendar」の2つのサービスと連携できているハズ!です!
今回テスト用に、Slackに「#notify」チャンネルを作成し、Googleカレンダーには「お茶を買いに行く」という日程を追加しました。
さて、それではCopilot Agentにお茶を買いに行く日付を調べさせて、分かったらSlackの#notifyチャンネルに通知させる動作確認を実用性はさておき行ってみたいと思います。
途中でSlackにメッセージを投稿して良いのか?という確認が入りますのでOKします。
完了したみたいですので、Slackチャンネルを見てみます。
問題なく投稿できていますね!
以上、とても簡単に Google Calendarから検索→Slack通知という、複数のサービスと連携した動作が実現できました!
②Zapierの実行履歴(History)を確認しよう
最後にZapier側で実際にMCPサーバーがどのように動作したかを確認してみます。
Zapier MCPサーバーの画面に戻り、ヘッダーの「History」リンクを押下します。
History画面ではMCPサーバーが受け取ったリクエストが一覧で表示されています。
ここで先程のSlack通知の際に送信されたリクエストを選択してみます。
アコーディオンを展開すると、MCPサーバーが受け取ったリクエストの詳細情報が確認できます。
ここではMCPサーバーが受け取った指示内容や、Slackに投稿するために解決したパラメータ情報、最終的な出力結果などを確認することができます。
これにより、MCPサーバーがどのように動作したかを把握できます。
3. まとめ
以上、SaaS提供MCPサーバーであるZapier MCPサーバーを使って複数のサービスと連携した動作がとても簡単に実現できることを紹介しました。
前回の公式GitHub MCPサーバーと比べ、今回のSaaS型 MCPサーバーは
・アプリやアプリ内のToolsの追加が画面上で簡単に行える。
・どういうToolが使えるかが一覧で把握できる。
・外部サービスの認証設定も画面上で簡単に行える。
といったメリットがあることがわかりました。
また今回紹介はしておりませんが、WebhookやカスタムAPIを使用して独自のサービスと連携することも可能です。
一方でZapier MCPサーバーでは
・日本のサービスはあまり対応していない。
・社内システムなどの外部に公開されていないAPIとは連携できない。
・使用の都度コストがかかる(無料プランもありますが、利用制限が厳しい)。
といった点にも注意が必要です。
次回はOSS MCPサーバーを構築して使用する例を紹介します。