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Fargate (ECS/EKS) × Savings Plansでコスト見積もりする方法
1. はじめに
Fargate(ECS/EKS)のコストを最適化するには、長期運用を見据えてSavings Plansの割引を活用することが重要です。試算には多くの方が公式ツールのPricing Calculatorを利用していると思います。
しかし、Fargateについては2025年12月現在、Pricing Calculator上でSavings Plansを反映した見積もりを算出できません。
そこで本記事では、Pricing Calculator と Savings Plans の公式ページを用いて、FargateにおけるSavings Plans適用後のコストを見積もる方法を、3ステップで解説します。
2. Fargate(ECS/EKS)のコスト最適化とSavings Plansの基本
Fargate に適用できる割引プランは、Savings Plansのみです。
Savings Plansとは、コンソールのBilling and Cost Management(請求とコスト管理) から操作できる契約プランです。
個々のAWSリソースに対してではなく、複数のAWSリソースに対する使用量 (USドル/時間) を契約します。
その使用量までは割引が適用された料金で請求され、超えた分はオンデマンド料金で請求されます。
Savings Plansにはいくつかプランがありますが、Fargateに割引が適用されるプランは以下の1つのみです。
Compute Savings Plans
EC2・Lambda・Fargateを使用した料金全体に対して、割引が適用されます。
リージョンの制限がなく、特にEC2、Fargateに関してはインスタンスタイプ(性能)やOSを事前に決めておく必要はありません。
3. Savings Plans適用後のFargate(ECS/EKS)の費用を計算する方法
AWSのサービスは、Pricing Calculatorで見積もりを算出することができます。
しかしFargate については、2025年12月現在、 Pricing Calculator上でSavings Plansを反映した見積もりを算出できません。
現在は、以下の3つのステップで計算することができます。
① Savings Plansの公式ページでFargateの割引率を把握する
② Pricing Calculatorのオンデマンド料金(割引前の料金)を把握する
③ 割引後の料金を算出する
① Savings Plansの公式ページでFargateの割引率を把握する
Savings Plans の公式ページで、リージョンや契約期間など必要な情報を入力します。
下記の例ではメモリとvCPUの割引率がどちらも47%であることが分かります。
※ メモリとvCPUで割引率が異なる場合もあります。

② Pricing Calculatorのオンデマンド料金を把握する
Pricing Calculatorで、Fargateと使用予定のリソースを入力していき、見積もりのサマリーを出します。
Fargateの見積もり詳細で赤丸で囲んだShow calculationsを開き、メモリとvCPUそれぞれのオンデマンド料金を把握します。

③ 割引後の料金を算出する
今回の例では、FargateにSavings Plansを適用した場合、下記の計算になります。
vCPUが、 209.15 USD x (1 - 0.47) = 110.85 USD
メモリが、183.01 USD x (1 - 0.47) = 97 USD
よって、割引後のFargateの料金は、
110.85 USD + 97 USD = 207.85 USD
とわかります。
4. まとめ
以上の流れを参考にしていただくことで、正確にFargateにSavingsPlansを適用した場合の見積もりを算出することができます。
また、EC2・Fargateコスト最適化:Savings Plansとリザーブドインスタンスの使い分けガイドも公開しております。
より最適な割引プランを選びたい方に役立つ内容となっておりますので、あわせてご参照ください。
弊社では、Savings Plans / リザーブドインスタンスの購入提案を含めたコスト削減のご提案も承っております。
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