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SRE導入において信頼できる業者とは?注意すべき点は?

2025.02.27 髙橋 由子
SRE コラム
SRE導入において信頼できる業者とは?注意すべき点は?


  1. はじめに
  2. 信頼できるSRE業者の特徴
  3. SRE業者選定時の注意点
  4. まとめ


1.はじめに

近年、システムの安定性と運用効率を向上させるためにSRE(Site Reliability Engineering)を導入する企業が増えています。しかし、SREの導入には専門知識と経験が必要であり、適切な業者を選定することが成功の鍵を握ります。本記事では、SRE導入において信頼できる業者の選び方と注意すべきポイントを解説します。


2.信頼できるSRE業者の特徴

2-1. 豊富な実績と専門知識

SREはシステムの可用性や信頼性を高めるためのエンジニアリング手法であり、経験豊富な業者を選ぶことが重要です。過去の導入実績や成功事例を確認し、特定の業界やシステムにおけるノウハウを持っているかを見極めましょう。


2-2. 自社の課題に合わせた提案ができる

単にSREの原則を適用するのではなく、企業ごとの運用課題に応じたカスタマイズができる業者が望ましいです。初期のコンサルティングで具体的な課題を共有し、どのような施策を提案してくれるか確認しましょう。


2-3. 生成AIなど最新技術の活用

SREでは自動化が重要な要素の一つです。最新の技術を活用し、モニタリングや障害対応の自動化を推進できる業者を選ぶことで、運用負荷を軽減できます。


2-4. SLA(サービスレベルアグリーメント)の明確化

業者の信頼性を判断する上で、提供されるSLAが明確かどうかを確認することが重要です。どの程度の可用性や復旧時間が保証されているのかを事前にチェックし、自社の求める水準と合致しているか検討しましょう。


2-5. セキュリティとコンプライアンス対応

SREの導入においては、セキュリティ対策も不可欠です。業者が適切なセキュリティポリシーを持っているか、また、ISO27001などの認証を取得しているかを確認することで、安全な運用を実現できます。


3.SRE業者選定時の注意点

3-1. 価格だけで判断しない

SREは単なるアウトソーシングではなく、長期的なパートナーシップが求められます。安価な業者を選ぶと、必要なスキルやサポートが不足する可能性があるため、コストだけでなくサービス内容を総合的に評価しましょう。


3-2. 内製化支援の有無

将来的にSREを自社内で運用したい場合、業者が内製化を支援してくれるかも重要なポイントです。ドキュメントの提供や社内エンジニアへのトレーニングを実施してくれる業者を選ぶと、よりスムーズな移行が可能になります。


3-3. 既存システムとの親和性

業者が提案するツールやプロセスが、自社の既存システムと適合するかを確認しましょう。例えば、既存の監視ツールと連携可能か、導入に伴うシステム変更の影響はどの程度かなどを事前に検討することが大切です。


3-4. 継続的な改善提案ができるか

SREは一度導入して終わりではなく、継続的な改善が求められます。業者が定期的なレビューやパフォーマンス分析を行い、改善策を提案してくれるかを確認することで、長期的な運用の質を向上させることができます。


4.まとめ

SRE導入において信頼できる業者を選ぶには、実績や提案力、最新技術の活用、セキュリティ対応などを総合的に判断することが重要です。単なる外注ではなく、長期的なパートナーとして共に成長できる業者を選ぶことで、より効果的なSRE運用が実現できます。

アクセルユニバースではお客様ごとの当初は見えていなかった課題も含め、それぞれのニーズに合致したSREを実現しています。また、生成AIを活用したSRE運用を提供し、障害予測や自動復旧、業界ごとの最適なSRE戦略を提案しています。SRE導入を検討している企業は、ぜひアクセルユニバースのサービスも参考にしてみてください。

SREの導入を成功させるためには、適切な業者選びが欠かせません。慎重に業者を選定し、自社に最適なSRE運用を実現しましょう。

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