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海外機械学習事例|医療・ヘルスケア分野での活用例
医療・ヘルスケア分野での機械学習検討状況
2019年6月にロンドンで開催されたAIサミットのヘルスケアAIストリームで実際のヘルスケア問題を解決するための魅力的な機械学習活用事例が発表されました。
医療の課題をいくつか考えてみましょう。
- 圧倒的な量はあるがオフライン上にあり活用できないデータ(紙カルテ等)
- 病気や健康など、性質上予測が困難なモノ(いつどんな病気にかかるか予測しにくい)
現在は機械学習を活用し、異なるデータの分析と予測、および日常的な作業の自動化について検討しており、成功したときはこれ以上ない程の大きな影響を与えると予想できます。
本記事では現代の課題に即している2つの事例ご紹介します。
- Cleveland Clinic『病気治療と入院期間の予測』
- HiveとCarers UK『最適なシニアケアで自立生活支援』
Cleveland Clinic『病気治療と入院期間の予測』
非営利団体のCleveland Clinicは年間540万人の患者の診察を行っている団体です。
Cleveland ClinicロンドンのCEOであるBrian Donley博士は業界最大の課題の1つである『医療従事者の燃え尽き症候群』へのAIを活用した対策を解説しました。
博士によると燃え尽き症候群に罹る人は平均で23%にもかかわらず、医療従事者は54%と多くいます。特に医師は更にストレスにさらされているそうです。
多大な業務負担により燃え尽き症候群が発生していると考えられるため、早急に負担を軽減しなければなりません。
技術の発達は諸刃の剣です。
技術の発達により医師が作成する必要がある情報と読み込む情報(43,000の医学雑誌、810,000の専門記事、患者が入力したデータ、試験など)が増加し、業務量も増加します。しかし、AIにとっては活用できるデータが増えるのでありがたい状態になります。
Cleveland Clinicはこの状況を利用し、医師がより効率的に治療に専念できることを目指し患者への分析と予測にAIを使用しています。
Cleveland Clinicは再入院の有無と滞在期間・個人の生存状態等の10億点ほどのデータから、退院後の患者はかなりの数が再入院していることを発見しました。
また、臨床データ、人口統計データ、および併存疾患データを分析してパターンを理解し、ある病気の治療方法と入院期間の予測モデルを構築しています。その予測結果で再入院の可能性と入院期間の大幅な短縮がされています。
現在は患者の状態を考慮して組織は必要な人員と期間を予測し配置しています。これは患者にとってより良い結果になっただけではなく、病院側もより適切にスタッフを配置できるようになりました。
HiveとCarers UK『最適なシニアケアで自立生活支援』
HiveとClarkとCarers UKは「The Changing Face of Care (変化するケアの顔)」のテーマで発表しました。
Nonprofit Carers UKが共有したデータでは以下のことが明らかになっています。
- イギリスの介護者は650万人ほどいる
- そのうち介護と仕事の両方をしている人は300万人、高齢者の介護と子どもの世話をしている人は150万人ほどいる
- 介護者の72%がメンタルヘルスの問題を抱えている
- 65歳以上の半数が必要な介護について話していない
- 40〜60歳以上の半数も親にどのような支援ができるかを話していない
これでは介護者の負担が大きいだけでなく、いざ介護が必要になった時にスムーズな介護ができません。
HiveはCarers UKと複数のパートナーと協力し、高齢者が自立して生活できるような監視システムを検討しました。
このシステムには高齢者の自宅での生活をリモートで監視する介護者向けのモバイルアプリも含まれています。
自宅のセンサーは、テレビ・ケトル・トースター・食器棚・ドア・リビングルーム・キッチンなど、様々な物の使用状況を記録するように設定し状況はレポートで介護者に通知されます。レポートは日次や週次で通知パターンを選択できます。
システムが生活パターンを学習すると介護者は、対象が通常寝ている時間・起きる時間・毎日一定の活動がある時間、およびこの時間に使用される特定の機器について設定ができます。
介護者はその場にいなくても家電の使用状況を確認できるため、介護のストレスを軽減できています。
このシステムの課題として、
- 高齢者がモニターを設置する許可を得ること
- 24時間年中無休のモニターに対する抵抗を和らげる必要があること が挙げられています。
さらなる活用のために介護者と介護される人の事前のコミュニケーションとセキュリティー面での安心が必要です。
おわりに
1日の会議でこのような2つの実用的な事例が発表され、注目を浴びたことはAIの今後の活用において大きな進歩です。
それは企業がAIの専門家になって技術で解決する問題を見つけるのではなく、実際の課題を考え、それらを解決するためにAIを活用していることを示しています。
つまり技術ありきのAIから脱出し、課題解決の手段としてのAIとなり始めました。
当社でもAI・機械学習を活用した課題解決をご提案しております。
- 自社にあるデータを2次活用したい
- 画像データを活用した機械学習を作成したい
- 既にAI・機械学習システムを利用しているが思うような効果が得られていない
- 機械学習ではなにが出来るのか興味がある
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私達はビジョンに『社会生活を豊かにさせるサービスを提供する。』ことを掲げ、このビジョンを通して世界を笑顔にしようと機械学習・深層学習を提案しています。
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