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技術ブログ
製造業向け課題別!画像判定分野での機械学習の解決事例
このような課題はありませんか
- 不良品検査の人員不足で外注しており、コストがかかっている...【コスト削減】
- ノウハウが引き継げずにベテラン検査員が退職し、検査に膨大な時間がかかっている...【人依存の解消】
- 利益率向上・働きやすい環境のために生産性を上げたい...【生産性の向上】
- 人によって判定にばらつきがあるため、品質にもばらつきが出てしまう...【品質向上】
どれも製造業のお客様からよく聞くお困り事ですし、改善には時間もお金もかかります。しかし、改善しないと品質低下を招き、お客様に不満を持たれてしまう可能性もあります。
これらのお困り事を機械学習で解決する、機械学習を活用した物体判定をご紹介をします。
画像を用いた物体判定の仕組み
画像認識の際には「画像のどこに何が写っているのか」を認識するためのモデルが必要です。機械学習を用いて学習データからこのような検出・判別するモデルを構築します。モデルをあらかじめ構築しておいて、認識する画像に対して判別結果を出力する仕組みを作ります。
モデルで実際に画像を判別する際には、画像の中から 特徴抽出する必要があります。画像の局所的な特徴の抽出や画像に含まれるノイズの除去などを、画像処理の手法や統計的な手法によっておこないます。判別に必要のない情報を除いた上で、判別結果を計算することができます。
抽出した特徴はいくつかの一定の大きさの領域にまとめた後、プーリング と呼ばれる処理でまとめられた領域を1つの値で代表します。画像の空間的な情報を削除し、判別に必要な情報のみを残します。
特徴抽出・プーリングの実施後には、事前に用意していたモデルによって画像を判別します。
また、ディープラーニングに代表される学習手法は特徴抽出・プーリングの処理をひとまとめにして、それらの手順をさらに繰り返すことで認識精度を高めています。
▼画像撮影から物体判定、振り分けまでのイメージ
画像を撮影しどこに物体があるか認識し、物体が何であるか判定し、判定内容によって振り分け(行動)します。
1.カメラを設置し、動画で物があることを認識・検出します。(物体検出技術)
2.学習時に付けたラベルをもとに、検出した物が何であるか判定します。
学習は画像に対してラベル(正解)をつけておこないます。実際の運用では、カメラで検出した物体が学習画像のどれに近しいかと判定します。
3.判定結果により適切な行動をします。
機械学習の範囲からは出ますが、判定した内容をもとに次の指示を出します。例えば、ベルトコンベアー上のものがA製品であれば右に振り分け、B製品であれば左に振り分ける、または不良品であればアラートを出すことができます。
課題別 機械学習事例 コスト削減
点検作業の自動化
カメラで撮影した建物画像からひび割れ等の老朽化箇所を検出します。人からシステムに役割を変えることができ、人件費削減だけではなくかかる時間も短縮することができています。
倉庫内配置の適切化
倉庫内にカメラを配置し、撮影することで作業社の行動や物の位置を把握し分析します。倉庫内の動線や配置の最適化によって業務を効率化し、コスト削減を実現します。
特定箇所への農薬散布
企業が農業へ参入したことで、日本では集約農業から大規模農業へと転換が進んでいます。広大な農地で作物を育成する際に、ドローン等で空撮したデータから必要な箇所を割り出して、病害虫が発生している箇所ピンポイントに農薬を散布します。農薬使用量を削減できるだけでなく、他作物へのダメージを減らすことができます。
人依存の解消
受注量予測
過去の受注量のメカニズムからどれだけの発注があるか予測します。ベテランにしかできなかった発注業務の敷居を下げることで、限られた人しかできなかった業務を分配することができます。
野菜収穫の自動化
ノウハウが重要な収穫時の見極めをAIがおこないます。AIが判断した後にロボットに信号を送ると自動で収穫をおこなうマシンも検討できます。
生産性の向上
問合せへの自動応答
社内からの問合せ件数は日にかなりものです。その問合せをチャットボットで自動応答にすることができます。質問者も作文に時間をかけずに気軽に質問することができます。
居眠り検知
同じ作業が続く検品等で、うとうとしそうになってしまうことがあります。目の開きがあまくなるとアラートが鳴り、目を覚ましてくれるシステムも構築できます。
品質向上
高解像度画像の作成
最新のAI技術では荒く見づらい画像を高解像度に直すことができます。品質で失注していた案件に、より良い提案が出来る可能性が上がります。
コンベア内の品質チェック
コンベアを流れる物体が良品か不良品かを判定します。不良品可能性のある物は人が見るまでもなく振り分けることで、人の疲労による見落としを減らすことができます。
機械学習検討の作業プロセス
▼機械学習を検討する際のプロセスです。
・事前検証
対象/判断の基準/期待する精度を基に適切な学習手法・アルゴリズムを設定します。
・システム開発
画像処理及び画像判定システムの検証・開発をおこないます。モデルへ画像と正解ラベルを合わせて学習させ、テストデータで事前検証で決めた精度が出せるようにチューニングします。
・テスト運用
運用に限りなく近いデータでトライアル運用をおこない、運用面や精度面での問題や課題を発見し対処します。
・リリース
テスト運用終了後に正式リリースとなります。必要に応じて、判定の精度向上のための再学習や活用範囲拡大のための追加学習を実施します。
当社は機械学習を活用したソリューションをご提案しています。
- 自社にあるデータを2次活用したい
- 画像データを活用したAIを作成したい
- 既にAIシステムを利用しているが思うような効果が得られていない
- 機械学習ではなにが出来るのか興味がある
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