DEVELOPER’s BLOG
技術ブログ
機械学習ができること/できないこととビジネスでの業種別活用事例
「機械学習」
耳にすることが多くなった単語ですが、そもそも機械学習ってなんでしょうか。
AI(人工知能)との違いは?なにが出来てなにが出来ないのでしょうか?
本日は上記を解説し、実際に活用されている事例をご紹介します。
機械学習とは
機械学習はAIの1つの要素です。
AIの中に機械学習があり、機械学習にディープラーニング(深層学習)があります。
機械学習とは...
- 大量のデータの特徴や法則を捉え、未知のデータを予測・分類する。
- 分析の精度は100%ではないが向上させることができる。
- 目的に応じて手法を使い分ける必要がある。
機械学習ができないこと
- 企画立案などの新しいアイデアを生み出すこと
- 喜怒哀楽を感じたり、自発的に考えること
機械学習が得意なこと
- 同じ作業を繰り返しおこなうこと
- 過去のデータを正しく学習すること
- 大量のデータを分析すること
- 人間がおこなうと時間がかかる膨大なデータを扱うこと
機械学習の分類と活用例
『機械学習が得意なこと』を分類し、ビジネスでの活用例を紹介します。
(1)「同じ作業を繰り返しおこなうこと」...作業を黙々とミスなくやってくれる「働き者」タイプ
作業を確実にミスなく実施し、新たな労働力として人間を助けます。
人間がおこなっていた簡易な業務と代わることができるため、労働人口の減少や長時間労働の削減の問題の解決に役立ちます。
空いた時間を、利益を生むための営業活動や、さらに労働環境を良くするための検討時間に替えることができ、生産性の向上を後押しします。
▼活用例
・無人レジ
レジで商品画像を読み取ると金額が算出されます。レジでの混雑緩和や人件費の削減に効果的です。
当社でも開発中で、下のアイコンから検討状況を確認できます。
(2)「過去のデータを正しく学習すること」...熟練者の技術を習得する「熟練社員」
人員確保の困難や、少子高齢化における熟練者の大量退職によって、知の継承が懸念されている分野において、熟練者が保有している技術を再現できます。
技術、ノウハウの再現性を高めることで、退職への対応だけでなく、新人教育にも活用できます。
▼活用例
・不良品検知/異常検知
機械学習で画像や、振動、音などの信号などの違いを認識し、良品と不良品(または良品と差が大きい物)、正常と異常(または正常と差が大きいもの)を識別します。
・コールセンター問い合わせ業務
熟練者の回答や対応を、機械に学習させ、いつでも引き出せるようにすることで、顧客対応レベルを全体的に向上させます。
(3)「大量のデータを分析すること」...データを即時に読んで判断する「聖徳太子」
人手を要し人間が苦手とする大量の情報、ビッグデータの分析をおこないます。
▼活用例
・リーガル分析
訴訟事案は毎年どんどん増え、大量のデータになります。六法全書や過去の訴訟事案のデータに検索タグ付けをおこない、自然言語処理を使い検索し、役立つ情報を瞬時に取り出し分析する、言わば「AI弁護士」、「AI裁判官」の役割をします。
(4)「人間がおこなうと時間がかかる膨大なデータを扱うこと」...人間にできなかったことをやってくれる「天才社員」
予測や最適化など人間では実施に時間がかかり、且つ、担当が限られる業務をおこないます。人間では扱うことが難しい膨大なデータも機械学習で扱えます。
▼活用例
・創薬
新薬の開発には膨大な時間とお金がかかっています。それは病気に適合する物質(リード化合物)を発見するまでに、試行錯誤に途方も無い時間がかかっていることが原因の一つです機械学習を用いて過去の事例から適合度の高いリード化合物の構造式を探すことで、適合度の高いアタリを発見するまでの時間を削減します。このようにリード化合物を最適化するまでのサイクルを短くすることで、コスト削減をも実現します。
機械学習のこれから
近年、少子高齢化による労働人口の減少や労働時間の削減などによって、十分な労働力の確保や業務効率化による生産性向上が課題になっている。
「機械学習」と「AI」。
どちらも単に「計算処理の早いコンピュータ」ではなく、「人間のようなコンピュータ」といった感覚のもので、人間の代わりに24時間働いてくれたり、作業をミスなく実施したり、人間には不可能なことを実現します。
機械学習は既に研究段階から実用化の段階に進み、あらゆる産業に変化をもたらしています。これから更に機械学習は世の中を豊かにする技術として受け入れられ、運用されていくため、今後は機械学習をどのくらい活用できるかが、社会やビジネスの発展に直接影響することも考えられます。
「機械学習は人間の仕事を奪う」
という意見もありますが、「機械学習ができないこと」で挙げたように、企画立案や戦略を立てることは人間の仕事です。人間による戦略や企画に機械学習を活用する、といった役割分担になっていくでしょう。
そのため「人間 VS 機械学習」ではなく、「人間 with 機械学習」で発展していくと予想されます。
本記事でご覧いただいたように、AI・機械学習は幅広い活用方法があり、お客様ごとの活用方法が必要です。
当社ではみなさまの課題やお困り事を一緒に解決していきます。
下記にご興味がありましたら、問い合わせ口からご連絡ください。
- AI・機械学習の導入を考えている
- 活用事例についてもっと詳しく知りたい
- 他になにが出来るのか興味がある
当社、アクセルユニバースの紹介
私達はビジョンに『社会生活を豊かにさせるサービスを提供する。』ことを掲げ、このビジョンを通して世界を笑顔にしようと機械学習・深層学習を提案しています。
例えば、現在人がおこなっている作業をシステムが代わることで、人はより生産性の高い業務に携わることができます。
参考文献
・梅田 弘之『エンジニアなら知っておきたいAIのキホン 機械学習・統計学・アルゴリズムをやさしく解説』インプレス、2019年
・南野 充則『未来IT図解 これからのディープラーニングビジネス』MdN、2019年
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