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重回帰分析を用いた売上予測
1.重回帰分析の定義
重回帰分析とは、統計上のデータ解析手法の1つであり、 単回帰分析とは異なりある結果(目的変数)を説明する際に、 関連する複数の要因(説明変数)のうち、どの変数がどの程度、 結果を左右しているのかを関数の形で数値化し両者の関係を表し、 それを元にして将来の予測を行う統計手法のことです。
2.重回帰分析の使用用途例
- ビジネスで売上を予想する
- 身体検査で体重の予測を行う
- イベントの参加人数を予想する
3.重回帰式の表し方
重回帰分析は目的変数をyとおき、複数個の説明変数をxi(i=1,2,3...)とする際に、 以下の式で表す事ができます。( 説明変数は3つとした場合)
y=β0+β1x1+β2x2+β3x3
4.重回帰分析の手順
例として、カフェをこれから経営する予定のjさんがいると仮定します。
1.これからjさんはどのくらい売上が成り立つのか知りたいと考えました。
この際まずは、目的変数を決定します。この例では、目的変数は売上高です。
2.jさんはカフェを経営するために売上高に関連しそうなデータを収集する必要があります。
売上高を予想するには、都市人口、競合店舗、店舗面積、座席数、従業員数、メニュー数、利益率、広告費
などのデータが必要です。これらのデータは説明変数と呼び、目的変数が決まった後に説明変数を決定します。
3.これらのデータが目的変数を出すのに必要なのか否か検討する必要があります。
説明変数のデータの精度を上げるにはステップワイズ法で最適なデータを探します。
ステップワイズ法は、はじめに最も有効な説明変数を1個採用します。
その後まだ採用されていない説明変数の内で最も有用な説明変数を1個採用します。
これを繰り返し行うが最初の方で採用された説明変数も不要になる場合があるので採用された変数を
取り除くかどうかを確認する方法です。
4.これによって決めた説明変数をエクセルのツールを利用します。
エクセル以外にもネットにある計算ソフトも使うことができます。
5.以上のものを使い方程式に落とし込むと
Y=0.35✕店舗面積+0.33✕座席数+0.55✕従業員数.....+0.77
売上高 回帰係数 回帰係数 回帰係数 定数項
(数字は例です)
定数項は説明変数の影響を受けないベースの売上高の事です。
6.この数式をを元にjさんは売上高を高める方法として説明変数の寄与率の高いものに予算を多めに配分して寄与率の低いものは予算の配分を少なくするなどの調整を行います。
以上のような手順で分析を行います。
5.私見
私見では、単回帰分析に比べて重回帰分析は複雑さがあるため、 単回帰分析のように直線を引いて直感的に理解しにくい面がありますが、 いくつかの説明変数を用いて目的変数を割り出す事ができるという大きなメリットがあります。 特に重回帰分析はマーケティングで応用されることが多く、売上高の予想などに向いていることから ビジネスマンに最適かつ多様な面で使う事ができると考えられます。