WORK
事例
クラウド移行後、SREによるクイックな課題解決サイクルがスタート
アズワン株式会社 DX推進部
太田 草子様(写真右)
藤田 晃輔様(写真左)
研究者や医療従事者が日常的に使用する商品を中心に取り扱う商社であるアズワン株式会社(https://www.as-1.co.jp/)の皆様に、クラウド移行後に抱えていらしたお困り事や、アクセルユニバース(以降、AUC)と仕事をすることでどんな変化がうまれたのかなど、お話をうかがいました。
AUC 竹中 涼香(以降 竹中)
本日はよろしくお願いいたします!はじめに、御社の事業・サービスと太田さん、藤田さん、箱田さんがどのような役割を担っていらっしゃるのか教えてください。
太田 草子さん(以降 太田)
弊社は2023年に創業90年を迎え、理化学機器・医療介護用品の商社として、研究者や医療従事者が、その役割に専念できる環境をつくることをミッションに掲げております。
私がメインで担当していますAXEL(https://axel.as-1.co.jp/)は、理化学機器・医療介護用品だけでなく、より汎用的な商品も含め、1,000万点を超える商品を取り揃えているECサイトです。
実はこれまでは、アプリケーション開発が中心で、インフラ部分についてはあまり携わっていなかったのですが、オンプレからAWSにリフトする際に、インフラとアプリの境目が曖昧になってしまったこともあり、全体的に見るようになったという経緯があります。
藤田 晃輔さん(以降 藤田)
私は、今まではオンプレのインフラをメインでやっていたのですが、どんどんクラウドシフトしていく中で、クラウド領域も担当することになりました。AWS以外も含めたインフラ周りを整備しています。
箱田 真一さん(以降 箱田)
この中で社歴が一番長く、インフラとアプリケーションの両軸を見ています。基幹システムから、集中購買システムocean(https://www.as-1.co.jp/ocean/)、Wave(販売店様向けECサイト基盤)を始めとした周辺システムのインフラ企画〜運用とアプリケーション企画・設計を担当しています。
アズワン株式会社 DX推進部
箱田 真一様(写真中央)
竹中
AXELのプロジェクト開始が2014年頃からということですが、まだ9年なのですね。扱う商品がすごく増えて検索スピードが低下したというようなお話をお伺いしたときに、長く運用されているシステムと思いましたが、短期間で急激に利用が拡大したシステムなのですね。
太田
はい、元々はフルカラーで3,000ページを超える大変分厚い「紙カタログ」を各研究室に置いていただき、そこからご注文いただくというビジネスモデルでした。紙カタログには約7万点の商品を掲載していて、これも大変ご好評いただいているのですが、掲載する商品点数に限界がありました。そうした中で『100万点の商品を検索できるサイトを作る』プロジェクトを2013年に開始しました。2015年11月に70万点まで商品データが揃ったところでAXELサイトを公開しましたので、公開後9年で70万→1000万点になっています。結構ハイペースですね。
この間、コロナ禍ではマスク等の医療系商材への集中的なアクセスがあったり、不正クローラーも増えたりと、データ量だけでなくリクエスト量の急増という要因もあって、サーバーを増強しても追いつかないという状況から、クラウドシフトを決定しました。
課題:人手が足りない、クラウド移行後インフラ絡みの問題拡大と危機感
AUCが関与させていただく前のお困りごとは、どのようなことがありましたか?
太田
1つには人手が足りないという課題感がありました。AXELに携わっているSEが約3名で他のシステムも兼任している状況でした。クラウドにリフトしてからも、6割ぐらいインフラ絡みの問題が発生し、そこに不安を感じたのも1つです。それに加え、セキュリティとか管理体制とか、オンプレではない世界で何をどう管理するのかが手つかずの状態になっていたことが一番の不安でした。この部分に専任できる人はおらず、その上スキルもないという状況で、危機感がありました。
ガイド的な立ち位置で一緒に伴走してくれる存在
実際にAUCと仕事を始めて、現時点での印象を教えてください。
太田
弊社はもともとマルチベンダーで開発しているのですが、「うちの仕事の範囲はここです」と、切り分けられた範囲の中だけでお仕事されるのが、ごく普通のベンダーの動き方です。それがリスク管理だとも思うし、それ自体が悪いわけではないですけど、そうすると、全体をコントロールする我々のスキルや対応スピードがボトルネックになってしまうところがあって。
今回のSREに関していうと、AUCは我々に代わり、プロジェクト運営自体を担ってくれる。全体を俯瞰して、各ベンダーのタスク管理・調整まで踏み込んでいただいています。しかも、我々からもプロジェクト全体が見えるように進めていただいています。こういう関わり方をしていただける会社さんはなかなかないと思っています。
藤田
いろんなベンダーと話しますが、AUCと話していると、端々に技術力の高さとか自信を感じまして、そこで得られる安心感も非常に強く感じています。
箱田
部内にはSE経験者もおり同規模の他社に比べれば、インフラをある程度わかっているメンバーもいるほうかなとは思っています。しかし、いざクラウドの話になり、それもハイブリッドで使わなければいけないとなった時に、その特有のところの技術を全部把握しているメンバーは、さすがにまだ作り上げることができていない状況です。AUCはその辺りの不足しているところを補っていただけるようなベンダーだと感じています。
AUC 坂尾 芳幸(以降 坂尾)
ありがとうございます。AUCのチーム体制は、企画から実装、その後の運用までカバーできるようにしています。いわゆる作業代行のような構築だけではなく、お客様の実現されたいこと、課題をベースとした企画や、構築後の運用がうまく回り、お客様の課題が改善されることをゴールとしています。
安心感とスピード感をもってプロジェクトに取り組める柔軟な体制
プロジェクト開始時からの変化はありますか?
太田
大きな変化は3つあると思っています。
変化① 漠然とした課題→プロジェクト化(明確なタスク化+優先度整理+進行)
AUCに依頼していなかったら、AWSセキュリティ改善活動は、後回し・先送りになりスタートすらできていなかったと思います。急な作業で優先度が変更になった場合にも、臨機応変に対応いただけており、順調に進めていただいています。
変化② 試行錯誤/これで良いのかと不安→安心感+スピードアップ
自分で色々と調べてシステムサポートに確認したりして進めていく状況から、早めにAUCに相談し安心感をもって進めていける状況へ変わりました。対応スピードも上がったように思います。
変化③ 新事業の担当システムベンダーが決まらない→AWS+AUCという組合わせが有力な候補に
我々と一緒に新しい取り組みにチャレンジしていただけること、我々に無い知見と技術力があること、柔軟な体制を取れることなど、AUC独自の強みを発揮いただけるのではと期待しています。
現状をより強固に守りながら、課題解決に向けた一歩先の提案に期待
今後、AUCに期待することを教えてください。
AUC 竹中 涼香(以降 竹中)
御社の利用システム・サービスが100以上と先ほど太田さんに教えていただきましたが、100のうち少ししか関与できていないと思っています。我々が全体感を把握した上で、システム面での課題感と、ビジネス面での価値を結びつけ、理解の範囲を広げていかないといけないと思います。
箱田
そうですね。多分今我々が感じているのは、伴走していただいてそういったところを補ってもらえてるというところが一番大きいのかなと感じています。自分たちが言葉で表現したところを形にしていってもらうところへのフォローとか、我々が持っていない知見、他社の取り組みや先進的な事例を知るというところも含めて、弊社の伴走者として一緒にやっていただけると非常にありがたいと感じています。
太田
最初AXELはチャレンジでした。失敗してもいいから新しいことをやるという位置づけだったのに、おかげさまで成長したがゆえに、守りを固めないといけない部分が強まって、今回のSREは正にそれなのです。一方で新しいことへのチャレンジのペースが落ちていくのは、良いとは思っていないので、今後のチャレンジングな取り組みについても、ガイド的な立ち位置で伴走していただけるのではと、期待しています。
竹中
御社のミッションが研究者や医療従事者がその役割に専念できる環境を作っていくことなのであれば、ユーザーの体験はどうあるべきかというところもお互いに同じ目線、同じコンセプトを持って、『考えてらっしゃるのはこれですよね』と当てにいくのではなく、ブレインに近いような、『次はこれが必要だと思いますよ』という、一歩二歩先をいくような存在になっていきたいなと思います。
太田
一歩前に進んだ提案をしていただけるとありがたいです。紙カタログ中心からAXELへという変化が社内に定着し、今後はもっと意見とかやりたいことが溢れてくるという状況がおそらくあると思います。そこも含めて整理とか方向付けとかしていただくというところに入っていただければ、本当にありがたいなと思います。
マルチベンダーだからこそ、どんな状況でも使い続けられることが選定基準の一つ
クラウド化の際に、なぜAWSを選定されたのでしょうか?
太田
アプリケーションベンダーがクラウドにリフトするにあたって、皆さんが実績あるものは圧倒的にAWSでした。やっぱり対応できるベンダーが多く、何かあったときに対応できることと、価格も比較的安めだったことが選定理由として大きいです。
箱田
補足するような話になるかと思いますが、インフラなどを選定する時に一つの基準というか目安にしていることが、ベンダーを固定しないということです。仮にその会社で何かの問題が発生してうちと取引ができなくなった時に、うちとしてはベンダーがいなくなったとしてもそのシステムをやめるという選択肢にはならないです。結果的にどこのベンダーさんに頼んだとしても引受先がある程度見込めるようなところというのを選定基準のベースに置いておかないといけないということになります。
その意味でいくとAWSは太田が申し上げた通り、対応できる技術者の方が多かったという部分ではほかのクラウドよりは選定しやすい部分です。
また、PaaSに関しても種類が多いので、うまく使ったらメリットが出るのだろうなという感覚を持っています。他社クラウドはサービス単位でのマネージドサービスをあまり作っていらっしゃらないと感じています。そういった他社さんが持ち合わせていないようなサービスをAWSは持ってるのかなという気がしています。
AUCの知見を生かしたメンバーの交流を通して、お互いのスキルアップが未来への鍵
太田
AWSのネイティブな機能をたくさん使って組み合わせ、アーキテクチャのご提案をいただけたらと思います。AUCから我々も、AXELに関連するベンダーたちも学んで、全体としてよりスピード感をもった取組ができるようになったらいいですね。
箱田
それに加えて、できればうちのメンバーをもっとそこに巻き込んでもらいたいと思っています。今AWSに関わっているメンバー以外の若手も増えています。もっと手軽にというか、システムシステムという感じではなく、手元のスマホで済むような話だったりとか、現場の方の困りごとを聞いた時に一緒にアイディア出しができたりするようなレベルのものだったり、そういうところを一緒に作っていくというところもお手伝いいただけると、みんなのアイディアが広がってくるのかなと思います。なので、そのような部内リテラシーの底上げもお願いできたら嬉しいです。
竹中
そうですね。ありがたいことに弊社にはそういうご相談が多いです。現在オンラインでの打ち合わせが主流になったので、弊社のメンバー間でも先輩が後輩に教えるときに画面共有して教えることがスタンダードになっています。それがお客様へのレクチャーになっても問題なくできると思います。技術の部分を一緒にディスカッションできるお客様とお仕事をさせていただけると、エンジニアのモチベーションが上がりますし、我々も『さらに勉強しなきゃ』と、いい意味のプレッシャーになります。ぜひ一緒にやらせていただきたいと思っています。
- 太田 草子様(写真右から2番目)
- 藤田 晃輔様(写真右)
- 竹中 涼香(写真左から2番目)
- 坂尾 芳幸(写真左)
- アズワン株式会社 DX推進部
- AUC システム部
お困りごとを解決するだけでなく、クイックな課題解決でアズワン様のブレインとなることを目指し尽力してまいります!本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。
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