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事例
成功の秘訣は透明性の高さ。システム会社とチームとして進めていくコツ
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株式会社TBM
- 酒井 菜摘様(写真左)
- 林 映里菜様(写真右)
企業のサステナブル化を軸に資源循環ビジネスを展開する株式会社TBM(https://tb-m.com/)の皆様に、開発会社の選定ポイントや、チームとして素早く開発を進めていくためのコツをお伺いしました。
本日はよろしくお願いいたします!はじめに御社の事業について教えてください。
酒井 菜摘さん(以降 酒井)
大きく分けて3つの柱で事業展開をしています。1つ目が、主力事業である石灰石を主原料としたLIMEX(ライメックス)素材等の環境配慮素材の開発・販売です。2つ目がリサイクルプラントの運営を含む資源循環事業です。3つ目がScopeX(スコープエックス)等が含まれる新規事業です。
改めて、弊社が保守をしているScopeXが提供している価値をお話ください。
林 映里菜さん(以降 林)
ScopeXはCO2を算定・可視化し、脱炭素経営をサポートするサービスです。
現在、有価証券報告書で、企業のサステナビリティ情報の開示が義務付けられています。企業は自社の温室効果ガス排出量に責任を持ち、対策を進めていかなければなりません。その第一歩として、温室効果ガスの排出量を見える化し、低減する計画を決める必要があります。それらができないと企業には、投資家もつきにくいですし、将来的には国から炭素税が課せられます。
AUCはScopeXの保守運用の他に、Green Sourcing Hub(グリーンソーシングハブ)のインフラ(AWS)構築も担当させていただきました。
酒井さんがご担当されているGreen Sourcing Hubも新規事業の枠組みでしょうか?
酒井
会社として公式な事業ではなく、ビジネスとして実証期間中の新規プロジェクトです。
2023年11月に、日本の環境配慮素材を取り揃えたBtoB向けプラットフォームとして、Green Sourcing Hubをリリースしました。本プロジェクトは、中小・中堅企業の海外進出を後押しするJETROの補助金に採択されています。
Green Sourcing Hubには、石灰石を資源としたLIMEXや再生素材、バイオ素材、生分解素材等、多様な環境配慮素材を取り揃えています。
素材におけるBtoBの取引は、2025年までに80%が電子上で行われると言われています。しかし、欧米諸国に比べ、国内ではあまり進んでいません。日本がこの流れに遅れないよう、電子上での取引を発展させていくことが目的のプロジェクトです。
今後、日本の市場における新しい試みを御社が先駆けていくプロジェクトなんですね。
酒井
そうですね。再生素材を海外展開していく過程で、電子取引にすることを検討していました。しかし、現在、国内の素材プラットフォームは数が限られており、海外向けの環境配慮素材に特化したプラットフォームとなると存在しません。既存のプラットフォームに出店するか、自分達のプラットフォームを作るか、検討の結果、自分達で構築して運用を始めるタイミングと判断しました。
透明性の高さがチーム連携を高める鍵
ScopeXとGreen Sourcing Hub、どちらも新しい試みをスピード感持って進める、攻めのプロダクトですね。パートナーとなる開発会社を探される際、どのような観点を重視されましたか?
林
ScopeXは新規事業のため、今後も機能追加・改善を行っていきます。そのため、柔軟に対応でき、最低限のコストで最大のパフォーマンスを出せるチームを形成することを重視しました。AUCさんと初めに話した印象は、なにより透明度が高い!ということです。しっかりと相談して進めていける開発会社を探していた中で、AUCさんは透明度高く共有してくれるので安心して相談することができると思いました。
Green Sourcing Hubの開発会社は林さんから酒井さんへご紹介いただいたのでしょうか?
酒井
はい。社内でなるべく同じ開発会社にしたいという思いがあり、林に相談しました。
AUCさん以外の開発会社にもお話しましたが、AUCさんが一番レスポンス早く、柔軟に対応いただけると思い、依頼しました。
ScopeXにエンジニアとして参画している齋藤さんに質問です。最小工数でパフォーマンスを上げていくためにこだわっているポイントを教えてください。
アクセルユニバース株式会社 齋藤 敬明(以降 齋藤)
できるだけ作業を見える化しています。作業内容や状況をクリアにお伝えできるよう、Slackで作業スレを立てて情報をオープンにしています。
タスクの大小に関わらず、つぶやき感覚でカジュアルに共有しています。お客様からしても、どんな作業をしているのか分かるため、安心感が得られると思うんですよね。
あとは、林さんが仕様検討時にシステムのことを考慮してくださることも、チームとして効率よく改善できているポイントです。
林
開発内容を把握できていないと、社内に説明する際、相手を納得させられないんです。なぜ対応が必要なのか?に対して、曖昧な返答になると相手は腑に落ちません。なので、システム改修内容を把握することを大切にしています。
お二人ともプロダクトオーナーとして全体を把握された上で素早くご判断されるため、開発スピードが上がります。ご判断される際に意識されていることはございますか?
酒井
私も林も会社から事業/プロジェクト責任者として、基本的に決定権はそれぞれにあります。そのため早く判断できています。
林
判断する際、決定の経緯や理由をドキュメント化しています。どのような背景で判断をしたのか、社内で聞かれても答えられるようにしています。
プロジェクトをどう進めるかの権限は持っていますが、全部を好きにやって良いわけではないので、"ただ判断した"とならないように気をつけています。
"なぜその判断をしたのか"という背景を大切にされているんですね。相談いただく際に、課題と背景をセットでご共有いただけるので、弊社からも提案がしやすくありがたいです。
言われたことに対応するというドライな関係ではなく、チームとして同じ目標に向かって進めることにやりがいを感じています。
AWSの選定理由
インフラはScopeX、Green Sourcing HubともにAWSを採用していますが、なぜAWSを選ばれたのでしょうか。
林
AWSはスタートアップに優しいというのが大きな理由です。プロジェクト立ち上げの際に、収益化できるか分からないプロジェクトでも、クレジット(利用枠)をもらった状態で始められることが大きかったです。また、セキュリティ対応の選択肢が多かった点も選定理由の一つです。
私が通っていた大学では、学校向けにクレジットが発行されたAWSを教材として使用しており、馴染みがあったことも選定のポイントです。大学では、MongoDBやEC2の立ち上げ、S3に関して教わりました。そこから、インフラといえばAWSというイメージがあります。
現在は、AWS専任サポーターと月1回の定例会を実施し、アーキテクチャについての質問に答えてもらう等、サポートを受けられる点も助かっています。
酒井
Green Sourcing Hubのパッケージ会社がAWSを動作環境として推奨したため採用しました。きっかけはパッケージ会社ですが、社内で議論し、納得した上で決定しました。
ともに成長していくパートナー
最後に、弊社の印象や今後も一緒にお仕事させていただくために、期待していただいている部分を教えてください。
林
AUCさんはITリテラシーに自信がない人でも理解できるように、「今こういう事が起こっている」と伝わるように話してくれます。
新米PdMが一番悩むのは、必要工数の目安が読めないことです。齋藤さんの作業スレのように作業内容を見える化してもらえると、開発会社から多すぎる見積工数が出されていないか、こちらが無理なスケジュールで依頼したのではないかと不安になることがありません。
こういう作業は時間が掛かるんだ、であったり、今エラーが起きている、ということが分かるので、一緒に成長できているなと感じています。
酒井
これからグローバル展開していく中で、一緒にインフラや開発領域で並走いただき、ともに発展したいと思います。
今後、Green Sourcing HubはASEAN地域で利用者を増やしていきたいと考えています。
ASEAN地域は成形メーカーや縫製系のメーカーが多いのですが、環境配慮素材のプラットフォームは現状ほとんどありません。今回採用したシステムパッケージは言語の切り替えが自動で反映できるので、対応言語も増やしていく予定です。
- 酒井 菜摘様(写真左から2番目)
- 林 映里菜様(写真左)
- 竹中 涼香(写真右から2番目)
- 齋藤 敬明(写真右)
- 株式会社TBM
- AUC システム部
透明性を高めることがチーム連携の鍵となるお話が印象的でした。これからも、二人三脚でチームとしてのパフォーマンスを高めていきたいです。本日はお時間いただきありがとうございました。
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