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事例
業務自動化で作業時間を50%削減! 秘訣は二人三脚のシステム開発
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HILLTOP株式会社
- 企画開発推進部 部長 井田 貴久様
HILLTOP株式会社は『世界の開発を加速させる』をミッションとし、機械加工事業、表面処理事業、装置開発事業で新しいイノベーション創出のため、日々挑戦し続けています。
部品加工事業では、自動車部品、航空機部品、医療関連の金属加工などの試作、半導体関連部品などの精密部品、軽量化が必要な機械部品など様々な加工を行っています。
同社では、受注・製作から納品までITを駆使し、多くの工程を24時間無人稼働・自動化し、製作期間を大幅に短縮しています。
また、職人のノウハウなど、技術のデータベース化によって、高品質な製品の安定供給が実現しています。金属加工を知り尽くした知識と経験豊富なプロ集団だからこそ、スピーディーに高品質な製品を供給することができるのです。
「ITを駆使し、人が行う作業を減らしていくことで、空いた時間で新しい仕事に挑戦していける」と井田さんは語ります。
アクセルユニバース(以下 AUC)ではHILLTOP様向けに、自動で図面を読み込み、データ化をする『受注入力自動化システム』を開発・提供しました。
本システムの稼働で、対象の手入力業務にかかる時間が半分になると試算しています。今回は、HILLTOP 企画開発推進部 部長の井田さんに開発時の苦労や取り組み、チャレンジし続けるHILLTOP様の文化についてお話しいただきました。
入力作業を自動化をし作業コスト半減を実現
今回のシステム化のきっかけを教えてください。
企画開発推進部 部長 井田 貴久さん(以降 井田)
今までは、工業製品の図面に記載されている情報を営業アシスタントさんたちが手入力していました。図番や品名、材質の情報、加工にあたっての特殊な情報、それらを紙から手入力する作業が見積と発注を合わせて毎月1万点弱ほどで、たいへんな負荷がかかっていました。ここを何とか自動化できないかと検討したことがきっかけです。
今回のプロジェクトはどこからの声で始まったのですか?
井田
実際に作業している人たちから社内SEに上がった要望をきっかけに検討が始まりました。弊社では要望を伝える掲示板を用意していて、気軽に声を上げられるような仕組みにしています。
構築したシステムはどのような仕組みですか?
井田
お客様からいただく、紙、またはPDFの図面を読み取りデータ化するシステムです。
まず、図面を読み取り、外枠でどのお客様の図面であるかを判断します。ここは機械学習を活用しています。 お客様が判定できたら、図面内の文字を読み取ります。この枠のこの部分には社名があるなど、どこに何が書いてあるかを事前に登録してあり、読み取った文字が何であるかを事前登録しているルール通りに判定し、データとして取り込みます。
このようにして、図面を見て手入力していた作業を、スキャンに代えることができます。
苦労した開発ベンダー(発注先)探し
AUCとの出会いはどちらでしたか?
井田
正直な話、発注先に非常に困っていました。
何十社にも声をかけましたが、実現したいことを伝えると多くの会社に難色を示され、「加工の図面は手書きもあり、取引先によってフォーマットや書き方も異なるので難しい」と言われることが多かったんです。
探している中で、発注ナビに出会い、AUCを含めて6社ほど候補として紹介されました。
AUCをお選びいただいた決め手はなんでしたか?
井田
実現できる可能性を示してくれた唯一の会社がAUCでした。
実現の難しさは私達も理解していましたが、他社さんからは「ちょっと厳しいです。」や「見積金額が激しく高くなります。」などと言われてしまい...。
なにがどこまでできるかを提案してくれたAUCと一緒にやっていきたいと思い、発注を決めました。
営業として提案活動も行う、代表の山根が同席しているので、AUCの想いも聞いてみます。
お客様への提案にあたり方針やこだわり、想いはどのようなものですか?
AUC 山根 太郎(以下 山根)
基本的に不可能なことって少ないと思っています。
お客様のやりたいことを、ちゃんと整理してやり方を考えれば実現はできるはずです。それをどういう風にやっていくかを考え、提案していくことも僕らの仕事です。ぱっと考えてノーと答えることはAUCの方針としてはよろしくないですね。
お客様のやりたいことをそのまま作るのではなく、ご要望を聞いて、「どうやったらできるか」を考え、僕らから提案することを大切にしています。
開発段階ではどのように両社で検討を進めましたか?
井田
週に1回ほど、打ち合わせをしていました。仕様が固まるまでは、AUCが京都にいらっしゃったり、私達が東京に行った際におじゃましたりして、対面での打ち合わせもしていましたが、その後は基本的にWebミーティングで打ち合わせをしていました。
開発段階では開発途中のシステムを実際の図面でテストし、認識結果をフィードバックするやりとりが多いです。 機械学習やフォーマットの認識、判定後の文字の処理など、技術面で、弊社が求めているものに近づけるご提案をいただきながら、進めていきました。 今回は研究開発の分野だと思うので、できるかできないか分からないところから試していきました。私達としても完全にできるとは思ってはいませんでしたし、一緒に研究していけたのはAUCだからこそだと思います。
- 企画開発推進部 部長 井田 貴久様(写真右)
- 竹中 涼香(写真左)
- HILLTOP株式会社
- AUC システム部
難しいことでも挑戦し、仕事を楽しいものにしていく
今日はお話しいただきありがとうございます。
御社は挑戦していく文化とHPで拝見しました。その文化はどのように創られたのですか?
井田
弊社の根本的な働き方として、「面倒なこと嫌い・楽しくないこと嫌い・ルーティンワーク嫌い」というのがあるんです。
「人間らしく仕事をするにはどうしたらいいか、よりクリエイティブな仕事ってどうしたらいいか」を考え、標準化や属人化をなくすことを進めています。
今回のプロジェクトも自動化が目的ではありません。どうしたら楽になる?どうしたら面白くなる?という考えが根本にあります。 もし、入力作業が面白かったら自動化しないで作業していてもいいと思いますよ(笑)。
例えば、自動化によって空いた時間でCADを習得したり、C言語やPythonを学んだりしています。社内のみんなも、声に出さなくても興味はあるんです。通常の業務で忙しく、チャレンジする時間が少ないんです。 なので、まずはチャレンジする時間を作りたいです。そうしないと次のステージも見えてこないですよね。次のステージはたくさんあるので、まずチャレンジをしてほしい。次に見えてきたものに興味があれば、突き進んだらいいし、興味がなかったら引き返せばいいと思っています。
自分を成長させるためにチャレンジし、どんどん領域を増やしていくことが御社の文化なんですね。
現在、自動化や機械学習の活用にチャレンジされている会社がとても多くいらっしゃいます。皆さんにアドバイスするとしたらどんな言葉を贈りますか?
井田
偉そうに聞こえたらすみません、アドバイス...ってほどではないですけど。
IoTやDXなど、昔からよく耳にしますが、目的がデータを取るだけ、集めるだけになっていることが多いと思います。どう活用するか、目的を見出さないと資金が流れるだけになってします。
データを取るだけでは無駄なシステムになるので、データを取って解析・活用していく流れを設計しないといけないと思います。 そのために、まずは社内のシステムを把握し、見直さないといけません。 データの取り方や、活用の仕方、また、生産方法...。それらのために、必要なデータを明確にしてシステム会社に依頼したり、自分たちで開発したりする、という流れが大切だと思います。 機械学習も、流行っているから取り入れたら何かが変わる!というのは成功しにくいかと思っています。
ありがとうございます。井田さんのおっしゃるとおりだと思います。
今後もお力になれるよう、AUCもチャレンジしていきます!
インタビュー後に4階にある社員食堂でお昼をいただきました!
とてもおいしい食事を、大きな窓の明るいフロアで摂ることができてうらやましいです!
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