2017年12月アーカイブ

みなさん、こんにちは。

前回の「Salesforce を活用した業務ワークフローの作成」(設定編)に続きまして、最終回となる(運用編)をお伝え致します。

(前回)
https://www.acceluniverse.com/blog/developers/2017/12/salesforce-2.html

「mitoco」ワークフローの運用手順


まずは、「mitoco」ワークフローにおける運用手順ですが、以下の機能により作業を進めさせていただきます。
なお、「mitoco」のインストール手順に関しましては、今回は割愛させていただきます。

  • 【申請者】
  • ・申請データの作成 : 初めに申請データを作成します。
  • ・申請データのコピー/編集/削除 : 作成済みの申請データは、コピー/編集 /削除の操作が行えます。
  • ・承認申請 : 申請データを作成すると、そのデータを利用して承認申請を行うことができる様になります。
  • ・承認状況の確認 : 申請したデータの状況は、「申請データ一覧」または「申請済み」ビューから確認します。

  • 【承認者】
  • ・申請データの確認 : 承認申請が行われた申請データの詳細は、通知もしくは「処理待ち」ビューから確認します。
  • ・申請データの承認/否認/差し戻し : 承認申請が行われたデータの承認/否認/差し戻しの処理は、通知もしくは「処理待ち」ビューから行います。
  • ・処理済みデータの確認 : 承認者が処理したデータは、「処理済み」ビューから確認します。

【ワークフローの画面構成】

図1.png

① 申請データ作成ボタン : 新しい申請データを作成します。
② ビュー切り替え : 「申請データ/申請済み/処理待ち/処理済み」を切り替えて、該当するデータを一覧表示します。
③ 申請データの検索 : キーワード、申請者、承認状況で申請データを検索します。「申請データ」及び「申請済み」ビューに表示されます。
④ データ一覧 : 選択されたビューに該当するデータを一覧表示します。
⑤ 申請データ閲覧リンク : 申請データの詳細を表示します。
⑥ 承認状況の参照リンク : 申請済みのデータに対する承認状況やコメントなどの詳細を表示します。
⑦ 承認画面を開く : 承認者が承認/否認/差し戻しの処理を行う画面を開きます。
⑧ 更新ボタン : 一覧を最新の状態に更新します。「申請済み/処理待ち/処理済み」ビューに表示されます。

【申請】

申請データを作成する

① 申請データ作成ボタン([+]ボタン)をクリックします。
② 申請フォームを選択します。申請フォームは、管理者により予め設定されているものが選択できます。
③ 申請件名を入力します。
④ [保存して次へ] をクリックします。
⑤ 申請に必要な情報を入力します。入力項目は②で選択した申請フォームと連動する形で、予め管理者により設定されています。
⑥ [保存] をクリックします。
⑦ 入力した内容で申請データが作成されたことを確認します。
⑧ この画面から続けて、承認申請や申請データのコピー/編集/削除の処理が行なえます。このまま画面を閉じるには [キャンセル] をクリックします。
⑨ ファイルを添付する場合は、[添付ファイル] のクリップアイコンをクリックして、ファイルを選択するか、ファイルを添付ファイルエリアにドラッグ・アンド・ドロップして添付します。ドラッグ・アンド・ドロップの場合は複数ファイルを同時に添付可能です。
⑩ 一度添付したファイルを取り消したい場合は、ゴミ箱アイコンをクリックします。
⑪ 確認ダイアログが開くので、[はい] をクリックします。
⑫ 複数のファイルを添付する場合は、クリップアイコンをクリックしてファイルを選択する操作を繰り返します。

申請データをコピー/編集/削除する

① 申請データを保存した後、キャンセルして申請データを開いていない場合は、[申請データ] ビューの一覧から対象のデータの件名をクリックして申請データ詳細画面を開きます。
② 申請データをコピーする場合は、[コピー] をクリックします。クリック後は、新規作成時と同じ操作で申請データの作成を行います。
③ 申請データを編集する場合は、[編集] をクリックします。クリック後は、新規作成時と同じ操作で申請データの編集を行います。
④ 申請データを削除する場合は、[削除] をクリックします。
⑤ 確認ダイアログが開くので、[はい] をクリックします。

申請承認する

① 申請データを保存した後、キャンセルして申請データを開いていない場合は、[申請データ] ビューの一覧から対象のデータの件名をクリックして申請データ詳細画面を開きます。
② [申請] をクリックします。
③ 承認申請を行う画面が開きます。
④ 申請データの詳細を確認する場合は、[詳細を開く] をクリックすると、この画面内で詳細を確認できます。
⑤ 承認プロセスを選択します。承認プロセスは、管理者により予め設定されているものが選択できます。
⑥ 承認プロセスを選択すると、承認プロセスに関するメッセージと承認ステップの遷移が表示されます。
⑦ 必要に応じて、コメントを入力します。
⑧ [申請] をクリックします。申請が完了すると、承認者に通知が届きます。また、申請後の状況は [申請済み] ビューから状況の確認が行なえます。

承認状況を確認する

① [申請データ] または [申請済み] ビューの一覧から対象のデータの状況を確認します。詳細を確認する場合は、[参照] をクリックして詳細画面を開きます。
② 承認ステップがどこまで進んでいるのか、また各ステップの承認状況詳細や承認者のコメントが確認できます。
③ [フローを表示] をクリックすると、フロー上でも承認状況の確認が可能です。

【承認】

申請データを確認する

① [処理待ち] ビューの一覧から対象のデータの申請件名をクリックするか、通知をクリックします。
② [処理待ち] ビューから開いた場合は、詳細が表示されるので、内容を確認します。通知から開いた場合は、申請の処理を行う画面が開くので、[詳細を開く] をクリックして内容を確認します。

申請の処理を行う(承認/否認/差し戻し)

① [処理待ち] ビューの一覧から対象のデータの [承認] をクリックするか、通知をクリックします。
② 申請の処理を行う画面が開くので、詳細を確認します。
③ 必要に応じて、コメントを入力します。
④ 承認する場合は、[承認] をクリックします。
⑤ 否認する場合は、[否認] をクリックします。
⑥ 任意のステップに差し戻す場合は、プルダウンからステップを選択して [差戻] をクリックします。

処理済みのデータを確認する

① [処理済み] ビューを開きます。
② 申請データの詳細を確認する場合は、対象のデータの申請件名をクリックします。
③ 承認状況の詳細を確認する場合は、対象データの状況欄の [参照] をクリックします。

おわりに


本件、承認プロセスの設定や申請フォームのカスタマイズにはやや工数が必要とはなりますが、業務ワークフローとして必要となる機能を持ちながら、リーズナブルな導入料金である点は、お客様よりかなりの高評価をいただいております。
なお、今回はお客様向けのご提案向けの導入検証のみでしたが、弊社内での活用に関しましても、今後トライしてみたいと思っております。

みなさんもお試しになってみては、いかがでしょうか?

みなさん、こんにちは。

前回の「Salesforce を活用した業務ワークフローの作成」(検討編)に続きまして、続編となる(設定編)をお伝え致します。

(前回)
https://www.acceluniverse.com/blog/developers/2017/12/salesforce.html

「mitoco」ワークフローの設定手順


まずは、「mitoco」ワークフローにおける設定手順ですが、以下の機能により作業を進めさせていただきます。
なお、「mitoco」のインストール手順に関しましては、今回は割愛させていただきます。
また、今回は「承認プロセス管理」を中心に機能説明させて頂きます。

  • ・アプリケーション設定(ワークフロー)
  • ・承認プロセス管理 : 承認プロセスの作成 /編集 /削除を行います。(管理者ユーザのみが使用可能)
  • ・申請情報一括更新 : 承認者の退職、移動等に伴いフロー上に停滞している申請への承認者一括再割り当て/一括取消を行います。(管理者ユーザのみが使用可能)
  • ・代理承認者設定  : ワークフローで利用する代理承認者を追加で設定することができます。代理承認者設定は、承認者となるユーザ自身で設定することもできますが、管理者は他の承認者の代理承認者を設定することが可能です。

※ 上記の設定に加え、Salesforce の設定でレコードタイプ/カスタム項目/ページレイアウトを定義すると、複数の異なる申請フォームを独自設定することが可能です。

図0.png

【承認プロセス管理

ワークフローをユーザが利用するにあたり、管理者は予め承認プロセスを作成して有効化する必要があります。

承認プロセスを作成する


ワークフローを利用する対象のオブジェクトを承認プロセスで定義します。

① [アプリケーション設定]をクリックします。
② ワークフローセクションの [承認プロセス管理] をクリックします。
③ [承認プロセス新規作成] をクリックします。
④ [対象オブジェクト] で "申請データ" を登録します。
⑤ [承認プロセス名] を入力します。
⑥ 必要に応じて、[説明] を入力します。
⑦ [登録] をクリックします。

承認プロセスを参照する

登録した承認プロセスの内容を確認します。

① [アプリケーション設定]をクリックします。
② ワークフローセクションの [承認プロセス管理] をクリックします。
③ 承認プロセス名をクリックします。
④ 承認プロセスの内容が確認できます。
⑤ 承認プロセス一覧に戻る場合は、[一覧に戻る] をクリックします。

承認プロセスを編集する

登録した承認プロセスの承認プロセス名と説明を編集します。対象オブジェクトは変更できません。

① [アプリケーション設定]をクリックします。
② ワークフローセクションの [承認プロセス管理] をクリックします。
③ 承認プロセス名をクリックします。
④ [編集] をクリックします。
⑤ [承認プロセス名] [説明] を変更します。
⑥ [登録] をクリックします。

承認プロセスを削除する

不要になった承認プロセスは削除も可能です。承認プロセスを削除しても、進行中の申請には影響ありません。

① [アプリケーション設定]をクリックします。
② ワークフローセクションの [承認プロセス管理] をクリックします。
③ [削除] をクリックします。
④ ダイアログが表示されるので、[はい] をクリックします。

バージョンを作成する

承認プロセスに紐づく形でバージョンを作成し、申請者や承認者、承認ステップの遷移などの詳細を定義します。
作成したバージョンは有効化するまで申請に利用することはできません。

① [アプリケーション設定]をクリックします。
② ワークフローセクションの [承認プロセス管理] をクリックします。
③ 承認プロセス名をクリックします。
④ [バージョン新規作成] をクリックします。

バージョン名、説明を設定する

① [バージョン名] を入力します。ここで入力した内容が申請時に選択する承認プロセス名として表示されます。
② 必要に応じて、[説明] を入力します。なお、この説明は管理者用の項目であり、ユーザには表示されません。

申請条件を設定する

① [申請条件] を選択します。
 "無条件に申請できます" を選択すると、いずれの申請内容でも申請を実行することができる様になります。以下の②〜⑦の手順はスキップされます。
 "次の条件に一致する場合に申請できます" を選択すると、申請内容を条件として設定し、条件に合致するもののみ申請を実行することができる様になります。以下の②〜⑦の手順で条件設定を行います。
② [フィルタを追加] をクリックします。
③ [項目] を選択します。ここで選択可能な項目は、現在のユーザ項目と承認プロセスで定義した対象オブジェクト(今回は "申請データ")となります。
④ [演算子] を選択します。
⑤ [値] を入力します。
⑥ [確定] をクリックします。
⑦ 条件が追加されたことを確認します。
 複数条件を設定する場合は、[フィルタを追加] をクリックして③〜⑥の手順を繰り返します。なお、複数条件を設定した場合はAND条件となります。

申請者、申請可能期間を設定する

① [申請者] にて、本バージョンで申請を実行できるユーザを設定します。
 ユーザ、ロール、ロール&下位ロール、ロール&上位ロール、公開グループ、関連ユーザから対象を選択し、[>>] をクリックして申請者に含めます。
② [申請可能期間] にて、本バージョンで申請を実行できる期間を設定します。

申請承認時の表示メッセージを設定する

① 申請時、承認時にユーザに表示するメッセージを [申請承認時の表示メッセージ] に入力します。

承認のステップを設定する

承認者や承認条件等の詳細を定義する承認ステップを設定します。

① [ステップ追加] をクリックします。
② [承認ステップ名] を入力します。
③ 必要に応じて、[説明] を入力します。
④ [割り当て方法] を選択します。
 "次のユーザに自動的に割り当てます" を選択した場合は、承認者となるユーザをユーザ、ロール、ロール&下位ロール、ロール&上位ロール、公開グループ、関連ユーザから選択し、[>>] をクリックして承認者に含めます。
 "申請者が承認者を手動で選択する" を選択した場合の選択オプションはありません。
 "選択したユーザ項目を使用して自動的に承認者を割り当てます" を選択した場合は、ユーザオブジェクトのユーザ階層項目を選択します。
 "Apex クラスを使用して承認者を割り当てます" を選択した場合は、予め作成済みの独自の承認ロジックを [Apex クラス] に入力して指定します。
⑤ ④の手順で、"次のユーザに自動的に割り当てます" または "Apex クラスを使用して承認者を割り当てます" を選択した場合、承認条件を設定します。選択可能なオプションは以下の5つです。
 ・選択した承認者の内 1人の承認を得る必要がある。
 ・選択した承認者の内 半数以上の承認を得る必要がある。
 ・選択した承認者の内 過半数の承認を得る必要がある。
 ・選択した承認者の内 2/3以上の承認を得る必要がある。
 ・選択した すべての承認者から承認を得る必要がある。
⑥ [代理承認] と [強制承認] を許可する場合はチェックを入れます。
⑦ [確定] をクリックします。
⑧ ステップが追加されたことを確認します。複数ステップを設定する場合は、①〜⑦の手順を繰り返します。

承認の遷移を設定する

設定したステップを使用して、申請から承認までの一連の流れを定義します。

① [遷移追加] をクリックします。
② [遷移元ステップ] を選択します。遷移の開始は必ず "申請" を選択してください。
③ [遷移先ステップ] を選択します。遷移の終了は必ず "承認" を選択してください。
④ [遷移条件] を選択します。選択できるオプションは以下の2つです。
 無条件で遷移します
 "無条件で遷移します" を選択した場合には⑤〜⑨の手順はスキップします。
 次の条件に一致する場合に遷移します
⑤ ④の手順で "次の条件に一致する場合に遷移します" を選択した場合、[フィルタを追加] をクリックして遷移条件を追加します。
⑥ [フィルタを追加] をクリックすると、条件フィルタの登録ダイアログが開くので、[項目] [演算子] [値] を設定します。
⑦ [確定] をクリックします。
⑧ フィルタが追加されたことを確認します。複数フィルタを設定する場合は、①〜⑦の手順を繰り返します。なお、複数条件を設定した場合はAND条件となります。
⑨ [確定] をクリックします。

対象レコードのロック、スキップの許可を設定する

① 申請時における対象レコードロックの挙動及びスキップの許可を設定します。
 申請中にレコードを編集できない様にする為には、[申請時に対象レコードをロックします] をチェックします。
 最終承認時にレコードを編集できる様にする為には、[最終承認時に対象レコードをアンロックします] をチェックします。
 複数ステップで承認者となっているユーザが、一度承認した場合に以降のステップをスキップできる様にする為には、[スキップの許可] にチェックを入れます。
② 全ての設定が完了したら、[保存] をクリックします。
③ バージョンが保存されたことを確認します。
 バージョンの詳細は、[参照] から確認が可能です。参照画面では、設定した遷移 [フロー] で視覚的に確認することができます。
 バージョンは、作成時はドラフトで保存されます。有効化されるまでユーザが申請に利用することはできません。利用時には必ず有効化してください。

バージョンを編集/削除する

作成したバージョンに変更を加えたい場合には、バージョンを編集できます。不要になったバージョンは削除も可能ですが、一度有効化されたバージョンを削除することはできません。

① [アプリケーション設定]をクリックします。
② ワークフローセクションの [承認プロセス管理] をクリックします。
③ 承認プロセス名をクリックします。
④ バージョンを編集する場合は [編集] をクリックします。編集可能な項目は、一度でも有効化されたバージョンと、有効化されていないバージョン(ドラフト)とでは異なります。
 有効化されたことのあるバージョンで編集できない項目を編集する必要がある場合には、バージョンをコピーして新たにバージョンを作成してください。
⑤ バージョンを削除する場合は [削除] をクリックします。
⑥ ダイアログが表示されるので、[はい] をクリックします。

バージョンをコピーする

既存のバージョンをコピーして、新しいバージョンを作成することができます。

① [アプリケーション設定]をクリックします。
② ワークフローセクションの [承認プロセス管理] をクリックします。
③ 承認プロセス名をクリックします。
④ [コピー] をクリックします。
⑤ バージョン登録画面が開くので、作成と同じ手順で設定を行います。

バージョンを有効化する

作成したバージョンを有効化して、申請時に利用可能な状態にします。

① [アプリケーション設定]をクリックします。
② ワークフローセクションの [承認プロセス管理] をクリックします。
③ 承認プロセス名をクリックします。
④ [有効化] をクリックします。

バージョンを無効化する

有効化したバージョンを無効化し、申請時に利用不可な状態にします。

① [アプリケーション設定]をクリックします。
② ワークフローセクションの [承認プロセス管理] をクリックします。
③ 承認プロセス名をクリックします。
④ [無効化] をクリックします。


かなりのボリュームですが、高機能なワークフロー製品であることがおわかり頂けたでしょうか。
今回はここまでとさせて頂き、最終回は Salesforce を活用した業務ワークフローの作成(運用編)にて「mitoco」ワークフローの運用手順を解説させていただきます。

みなさん、こんにちは。

前回の「Salesforce を活用したビジネス文書の作成」に続きまして、第三弾の業務改善ブログとなります。
今回は、「Salesforce を活用した業務ワークフローの作成」と題しまして、導入前の(検討編)をお伝え致します。

(前回)
https://www.acceluniverse.com/blog/developers/2017/09/salesforce.html
https://www.acceluniverse.com/blog/developers/2017/09/salesforce-1.html

ワークフローの定義

まずは、ワークフローの定義ですが、国際標準化団体であるWfMC(Workflow Management Coalition:ワークフロー管理連合)によると、「ワークフローとは、ビジネスプロセス全体あるいはその一部の自動化であり、これによって文書・情報・タスクが手続きに従って担当者から担当者へ引き継がれる」と定義されています。

例えば、総務部による消耗品の発注など手順が一定で日常的に繰り返し発生する事務手続きや、組織として意思決定を行うための稟議書や起案書など都度判断しなければならない場合など、業務の内容や書類の種類によって回付する人や人数、ステップが異なります。

このように、組織の中で上長や所属部署内外の関係者など複数人が関わる業務を、予め決められた流れに沿って処理すること、またその流れを図式化したものをワークフローと呼びます。

業務ワークフローの作成

では、みなさんは、社内で運用されている業務ワークフローは、どのようにシステム化されていますでしょうか?
一般的には、ロータスノーツやイントラマートと言ったグループウェア製品を活用して、業務ワークフローの作成を実施されていることかと思われます。

しかし、これらのグループウェア製品は、グループ企業全体でのシステム導入形態が多く、導入費用がそれなりに必要であったり、業務ワークフロー自体の設計や作成、本番環境への配備等の作業が情報システム部門でしか対応できないと言った「悪しき前例」が巷では良く聞かれます。

Salesforce でのワークフロー機能の活用

なお、Salesforce にも「ワークフロー機能」は存在していますが、ちょっと意味合いが異なっており、「ビジネスプロセスの自動化」を行う為のルールを定める際に使用されます。
Salesforce のホームページからの引用では、以下の通りとなっています。

「ワークフロー機能を利用し、シンプルなマウス操作でビジネスプロセスを自動化しましょう。 案件の規模が一定額以上になったらメールアラートが自動送信されるようにしたり、案件が次のフェーズに進んだらタスクが自動で割り当てられるようにしたりと、さまざまなプロセスを自動化できます。」

要するに、Salesforce で言う「ワークフロー機能」は、ある条件に達した際にあるジョブが実行される様に自動化したいを満たす為の「ジョブフロー制御」に近いものとなります。
この「ワークフロー機能」を活用して、いわゆる業務ワークフローを作成することは可能ですが、申請や承認用の画面は新規開発が必要であり、回覧資料のファイル添付機能も実装が必要と言う訳で、簡単にご利用できますという世界には程遠いのが現状でした。

Salesforce での業務ワークフローの作成

その様な折、あるお客様より、社内の稟議書・連絡文書の申請・回覧・承認システムを新規に導入したいとのご要望を頂き、Salesforce を活用した業務ワークフローの作成システムがご提案できないものかと早速調査に当たらせて頂きました。お客様のご要件は以下の通りです。

  • ・現状は紙を使った完全なマニュアル作業(承認は押印による)
  • ・申請・回覧・承認の経路は最大6段(申請者→部長→担当取締役→管理部門取締役→社長→取締役会、取締役会には外部取締役も含まれる)
  • ・申請・回覧・承認のパターンが多岐にわたる為にテンプレート化が必須(テンプレート自体の作成は管理者が実施する前提で良い)
  • ・申請の際の申請画面は項目レベルの追加カスタマイズが必須(追加カスタマイズ自体は管理者が実施する前提で良い)
  • ・申請に際し、承認者の差し戻し機能は必須(差し戻しの際は、申請者に戻す・一つ前の承認者に戻すの選択ができると良い)
  • ・稟議書・連絡文書には複数の電子ファイルの添付が必須(添付ファイルはExcel、Word、PDFが主体)

上記のご要望を満たし、可能な限り安価に導入可能な、Salesforce をベースとしたパッケージ製品がありますでしょうか?
以前より注目していた、テラスカイ社のグループウェア製品である「mitoco」が候補として上がりました!
こちらの「ワークフロー」機能を早速ご紹介させて頂きます。

【承認プロセスの見える化でスムーズな申請・承認が可能

経費の処理や稟議申請など、業務に欠かせない申請のプロセスは、企業ごとに予算の幅、事案などの要因で、権限者は多岐にわたります。日本の複雑な商慣習に合わせたワークフローに柔軟に対応できるのが、mitocoのワークフローです。組織情報とも連携することができ、自社にフィットした承認フローを容易に作成できます。また、承認までのフローを予め設定しておき、指定日時での自動有効化ができるので、新規プロジェクト発足時にも便利です。このような設定によりスムーズな申請・承認を実施でき、業務の効率化だけでなく、意思決定のスピードをあげることが可能です。

【状況別に申請データを確認】

画面上部のタブで承認状況別にデータを検索し、現在のプロセスをすぐに確認することができます。
また、申請が届くとmitocoの通知機能でお知らせ。承認者も申請者も、スピーディーな作業が可能です。

【承認プロセスを柔軟に設計】

管理者は、承認プロセスを申請から承認までの流れに沿い一元的に設定することができます。
また、承認ステップと分岐を含むプロセスをフロー図で確認しながら設定することも可能です。

【申請から承認までの流れ】

<申請>
・承認プロセスの利用条件を設定
 申請フォームの内容は、ユーザーなどを設定できます。
・申請データのロック
 申請後は、申請データや添付ファイルを編集不可にすることが可能です。

<ステップ>
・柔軟な承認者設定
 承認として、ユーザー指定、上司、役職、ユーザーグループなど様々な設定が可能です。
・代理承認
 不在時に代理で承認するユーザーを指定できます。
・複雑な承認条件
 1人、半数以上、過半数、2/3以上、全員から承認人数を選択可能です。
・差し戻し
 申請者もしくは過去の承認ステップに差し戻すことができます。

<分岐条件>
・経路の自動判別
 見積の金額や、見積先が法人か公官庁など、申請対象のデータや申請者によって処理を分岐させることができます。

<最終承認>
・申請者への通知機能
 承認時には申請者にメール通知を行います。

【承認バリエーション事例】

・代理承認
 承認権限のあるユーザーが事前に代理承認者を指定しておくことで、処理を実施できない場合に代理承認が可能です。
・マネージャー承認
 ユーザーオブジェクトのマネージャー項目が自動的に次の承認者として設定されます。上長を個別に指定する必要がありません。
・スキップ承認
 同じプロセスの中に何度も同一ユーザーが登場する場合、一度目の承認に基づき、2回目以降の承認も実施したことになります。
・ユーザー指定承認
 申請者又は承認者が次の承認者を指定することができます。

うーん、なんとか使えそうな雰囲気になってまいりました。
今回はここまでとさせて頂き、次回は Salesforce を活用した業務ワークフローの作成(設定編)にて「mitoco」ワークフローの設定手順を解説させていただきます。

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